2023年にSV650を購入して約2年が経ちました。私自身腰を悪くして重いバイクを取り扱うのが億劫になってきたので、購入するバイクとしてはミドルクラスで200kgくらいのバイクを目安に探していました。
その結果私が選んだのはスズキのSV650。このバイクは、「コスパが高い」「Vツインの鼓動が気持ちいい」「乗りやすい」などのレビューをよく見かけますが、果たして実際のところはどうだったのか?
この記事では、SV650を実際に購入してからしばらく乗った私が、「買ってよかったこと(メリット)」と「正直、後悔したこと(デメリット)」を5つずつ挙げて、本音でレビューしていきます。
これからSV650の購入を検討している方、バイク選びで迷っている方の参考になれば幸いです。
SV650を買ってよかったこと(メリット5選)
1. コストパフォーマンスの高さが圧倒的
SV650を選んだ最大の理由のひとつが、「この価格でこれだけの性能があるのか?」という驚きでした。新車でも80万円前後、中古なら60万円を切る個体もあります。このご時世で大型バイクがこの価格で購入できるのは驚異的です。
ただ安いだけでなく、燃費も25〜30km/Lと良好。保険や税金などの維持費も比較的抑えられていて、「財布に優しいミドルクラス」といえるバイクです。ロングツーリングでも燃費がいいのでガソリン代も抑えることができるので、財布にとても優しいバイクです。
2. 軽量な車体で取り回しがラク
装備重量約200kgという軽量さで、駐輪や取り回しが非常にしやすいです。狭い路地や駐輪場でも苦にならず、特に街乗りや通勤時にストレスを感じません。もともと隼に乗っていた私からすると、非常に軽量になりました。
足つき性も良好で普段の使用から重量による不安がありません。その軽量さゆえにコーナーでもひらひら車体を傾けることができるので、峠でも軽快に操ることができます。
重量があるとどうしても取り回しに不安が生じます。そういう意味で多くの人のお薦めすることができます。
3. Vツインエンジンの鼓動感とフィーリング
SV650のエンジンは90度Vツインの645cc。低回転域での鼓動感やスムーズな加速感が特徴です。トルクも厚く、街乗りでも高速でもストレスなく走れるフィーリングの良さがあります。もちろん隼に比べるとパワーはないですが、街乗りや高速道路では十分なパワーです。
4気筒のモーターのようなフィーリングとは違う独特の吹け上がり感です。とはいってもスムーズに鼓動感を伴いながら吹け上がるエンジンは「操る楽しさ」と「心地よさ」を両立した、バイクらしいエンジンです。
4. 万能に近い走行性能で用途を選ばない
街乗り・通勤・ワインディング・高速道路と、どんなシーンでも無理なく対応できる万能性が魅力です。自然なライディングポジションで疲れにくく、初心者でも扱いやすい印象を受けました。
それ以外にも私はキャンプにも使っています。本格的なオフロードは流石に無理ですが、どのようなシーンでも使えるバイクとして非常に重宝します。
5. シンプルなネイキッド
SV650はいわゆるスーパースポーツのような尖った見た目ではありませんが、全体としてバランスの良い美しいプロポーションをしています。トレリスフレームのシンプルながら美しいデザインが特徴的です。
一般的なネイキッドといえばネイキッドですがコンパクトに収まっている非常に良いデザインだと思います。
SV650を買って後悔したこと(デメリット5選)
1. シートが硬く、長距離だとお尻が痛くなる
足つき性は良いものの、細くて硬めのシートはロングツーリングでは厳しさを感じる場面があります。200km以上の移動ではゲルザブなどの対策が欲しくなるでしょう。
人によってはあまり気にしないようですが、私も100km過ぎたあたりからお尻が痛くなります。200kmは流石に連続での走行は少し難しいです。気にある人は事前にケルザブなどの対策をするか、シートにアンコ盛りなどの対策が必要でしょう。
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2. 高速道路では少し辛い
ネイキッドなので高速道路は風圧が辛いです。ここは流石にフルカウルやツアラーには敵いません。向かい風になるとかなり辛く法定速度でも走っているのが辛くなります。
カスタムパーツでスクリーンも売っていますので取り付けることで多少は変わりますが、やはりフルカウルには敵いませんね。
ネイキッドなのでどうしようもないことではあるので、この点は十分理解して購入する必要があります。
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3. シート下のスペースがほとんどない
SV650のシート下を開けてまず感じるのは、工具ひとつでパンパンになるほどの狭さ。近頃のバイクはシート下のスペースがないことが多いですが、SV650も例外ではありません。一般的な400ccやツアラータイプと比較しても、収納スペースはほぼ皆無といって差し支えありません。
わずかにある凹み部分に、車載工具とETC車載器を入れたらもうギュウギュウ。下手にグローブやレインウェアを詰め込もうものなら、シートが閉まらなくなります。
私もデイトナのD-UNITとETCをつけるだけでもう何も入れることができません。本当はドライブレコーダーも取り付けたいのですが、流石に無理ですね。
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4. 電装系がややシンプルで物足りない
最近のバイクと比較するとメーターや装備はシンプルです。USB電源やスマホ連携などの最新装備を求める方には不向きかもしれません。もちろん後付けでUSB電源の取り付けやスマートライドモニターなどを取り付ければいいですが、最初からついている方が便利ですよね。
また、ABSはありますがそれ以外の電子制御はありません。トラクションコントロールやクルーズコントロールもありませんので、安いということもありますがメリットとデメリットを天秤にかける必要があります。
ちなみに私はトラクションコントロールやクルーズコントロールがないことへの不具合は感じておりません。おそらくあると非常に便利だとは思いませんが、安価なバイクを購入したかったのでそこへんは妥協しています。
5. 人気ゆえに中古価格が落ちにくい
SV650は非常に人気の高いバイクであるがゆえに、中古市場での価格が下がりにくいという側面もあります。
「少し年式が古くてもいいから、安く手に入れたい」と思って調べてみても、予想より高い価格で出回っていることが多く、コスパ重視の人にはギャップを感じるかもしれません。
また、中古価格が安定しているということは、リセールバリューが高いという裏返しでもありますが、購入時の値ごろ感は薄いという印象です。
私も当初は中古を狙っていましたが、新車との価格差が少なく、「だったら保証もあるし新車にしよう」と決断しレッドバロンに調べてもらいました。今では満足していますが、「中古=割安」というイメージを持っている方は、少し予算を多めに考えておくと安心です。
8年前のモデルでやっと50万くらいです。新車で83万円なので+33万円で新車が購入できるのであればそちらの方が良いと私は思いました。
まとめ
ここまで「SV650を買ってよかったこと」「後悔したこと」をそれぞれ5項目ずつ、深掘りして紹介してきました。正直に言って、完璧なバイクではありません。シートの硬さ、電装のシンプルさなど確かに改善の余地はあります。
しかし、ミドルクラスのバイクとしては比較的安価であり軽量で取り扱いもしやすい非常に良いバイクです。初心者の方にもベテランの方にも幅広くお勧めすることができます。
もちろん電子制御が最新のバイクと比べて少ないなどデメリットもありますが、それを差し引いても多くの方にお勧めできるバイクです。
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